「 ソロモンの祈り 」 2021年4月11日礼拝メッセージ 堀内友幸

2021年4月11日の礼拝説教要約

「 ソロモンの祈り 」

聖書:列王記上 第3章16—28節 新改訳・旧約聖書533–534ページ

列王記上 第3章16—28節
16 そのころ、ふたりの遊女が王のところに来て、その前に立った。
17 ひとりの女が言った。「わが君。私とこの女とは同じ家に住んでおります。私はこの女といっしょに家にいるとき子どもを産みました。
18 ところが、私が子どもを産んで三日たつと、この女も子どもを産みました。家には私たちのほか、だれもいっしょにいた者はなく、家にはただ私たちふたりだけでした。
19 ところが、夜の間に、この女の産んだ子が死にました。この女が自分の子の上に伏したからです。
20 この女は夜中に起きて、はしためが眠っている間に、私のそばから私の子を取って、自分のふところに抱いて寝かせ、自分の死んだ子を私のふところに寝かせたのです。
21 朝、私が子どもに乳を飲ませようとして起きてみると、どうでしょう。子どもは死んでいるではありませんか。朝、その子をよく見てみると、まあ、その子は私が産んだ子ではないのです。」
22 すると、もうひとりの女が言った。「いいえ、生きているのが私の子で、死んでいるのはあなたの子です。」先の女は言った。「いいえ、死んだのがあなたの子で、生きているのが私の子です。」こうして、女たちは王の前で言い合った。
23 そこで王は言った。「ひとりは『生きているのが私の子で、死んでいるのはあなたの子だ』と言い、また、もうひとりは『いや、死んだのがあなたの子で、生きているのが私の子だ』と言う。」
24 そして、王は、「剣をここに持って来なさい」と命じた。剣が王の前に持って来られると、
25 王は言った。「生きている子どもを二つに断ち切り、半分をこちらに、半分をそちらに与えなさい。」
26 すると、生きている子の母親は、自分の子を哀れに思って胸が熱くなり、王に申し立てて言った。「わが君。どうか、その生きている子をあの女にあげてください。決してその子を殺さないでください。」しかし、もうひとりの女は、「それを私のものにも、あなたのものにもしないで、断ち切ってください」と言った。
27 そこで王は宣告を下して言った。「生きている子どもを初めの女に与えなさい。決してその子を殺してはならない。彼女がその子の母親なのだ。」
28 イスラエル人はみな、王が下したさばきを聞いて、王を恐れた。神の知恵が彼のうちにあって、さばきをするのを見たからである。

一 ソロモンの祈り

1 ソロモンの願い

神様への手紙という本のなかで、子供の手紙が載っています。

「神様、雪が積もって、学校が休みになった時のことを、覚えていますか?

またあんなふうにしてもらえませんか?」

(1) 神様がもし「あなたに何を与えようか。願いなさい。」と言われたら、

あなたは何を願われますか。

(2) 主は夢のうちにソロモンに現れて、「あなたに何を与えようか。願いなさい。」と言われた時にソロモンは答えました。

「7 わが神、主よ。今、あなたは私の父ダビデに代わって、このしもべを王とされました。しかし、私は小さい子どもで、出入するすべを知りません
8 そのうえ、しもべは、あなたの選んだあなたの民の中におります。しかも、彼らはあまりにも多くて、数えることも調べることもできないほど、おびただしい民です。9 善悪を判断してあなたの民をさばくために聞き分ける心をしもべに与えてください。さもなければ、だれに、このおびただしいあなたの民をさばくことができるのでしょうか。」
10 この願い事は主の御心にかなった。ソロモンがこのことを願ったからである。

(3)神様の答え

11 神は彼に仰せられた。「あなたがこのことを求め、自分のために長寿を求めず、自分のために富を求めず、あなたの敵のいのちをも求めず、むしろ、自分のために正しい訴えを聞き分ける判断力を求めたので、12 今、わたしはあなたの言ったとおりにする見よ。わたしはあなたに知恵の心と判断する心とを与える。あなたの先に、あなたのような者はなかった。また、あなたのあとに、あなたのような者も起こらない。13 そのうえ、あなたの願わなかったもの、富と誉れとをあなたに与える。あなたの生きているかぎり、王たちのなかであなたに並ぶ者ひとりもいないであろう。14 また、あなたの父ダビデが歩んだように、あなたもわたしのおきてと命令を守って、わたしの道を歩むなら、あなたの日を長くしよう。」
15 ソロモンが目をさますと、なんと、それは夢であった。

2 神殿が完成した時のソロモンの祈り 七つの祈り 8:22

どんなに立派な、壮麗な神殿を建てたとしても、そこを神様の住まいと定めることなどできはしないのです。神様はこの世界の全てをお造りになった方です。その神様を、地上のどこかに、また人間が作ったものの中に閉じ込めてしまうようなことはできないのです

「そして、夜も昼もこの神殿に、この所に御目を注いでください。ここはあなたが、『わたしの名をとどめる』と仰せになった所です。この所に向かって僕がささげる祈りを聞き届けてください。僕とあなたの民イスラエルがこの所に向かって祈り求める願いを聞き届けてください。どうか、あなたのお住まいである天にいまして耳を傾け、聞き届けて、罪を赦してください」。神殿は、神様が「ここに住む」と言われた所ではなくて、「わたしの名をとどめる」と言われた所です。「名をとどめる」というのは、具体的には、神様が、その住まいである天から、この神殿に常に目を注ぎ、耳を傾けている、ということです神様がイスラエルの神となり、イスラエルは神の民となる、それは、イスラエルの民の祈りに神様がいつも耳を傾け、目を注いで受け止めて下さることであり、そういう特別な関係をイスラエルの民との間に結んで下さるということなのです

(1)31~32節の、隣人との関係におけるトラブルの苦しみにおける祈りです隣人が自分に罪を犯す場合、あるいは逆に自分が隣人に罪を犯してしまう場合、いずれにせよ、隣人との関係がうまくいかなくなり、うらみ、憎しみに支配されてしまう時に、この神殿において神様に祈るのです。神様は、人間の目には見えない真実を知っておられる方です。その神様が正しい裁きを行って下さる、自分の苦しみや怒りや憎しみをその神様の裁きに委ねる祈りがここでなされるのです

(2)33~34節の、神様に対する罪の結果として、敵に打ち負かされてしまった時の悔い改めの祈りです

(3)やはり罪のゆえに神様が天を閉ざし、雨が降らなくなった時の雨乞いの祈りです

(4)飢饉や疫病、作物の不作、敵による包囲などの時の祈りです

(5)41−43節これは、イスラエルの民に属さない異国人の祈りです。神様の契約の恵みにあずかっていない、神の民とされていない異国人であっても、主なる神様のみ名を慕ってこの神殿に来て祈る者の祈りを、聞き届けて下さるようにとソロモンは祈っています

(6)イスラエルの民が敵と戦うために戦場へ向う、その途上で、エルサレムの神殿の方を向いて祈る、その祈りと願いに耳を傾け、彼らを助けてくださいというものです

(7)イスラエルの民が神様に向って罪を犯し、その結果として、神様の怒りによって敵の手に渡され、捕虜となって敵地に引いて行かれてしまう、さらには国そのものが滅亡して他国に捕え移されてしまうという苦しみの中での祈りです

そういう遠い捕囚の地バビロンで、イスラエルの民が、自らを省みて神様への罪を悔い、「わたしたちは罪を犯しました。不正を行い、悪に染まりました」と告白し、神様の憐れみを求めて、既に破壊されてしまっている神殿の方に向って、主なる神様に祈る、その祈りと願いに耳を傾け、民の罪を赦し、憐れみを与えて下さいとソロモンは祈っているのです

罪の結果、国が滅亡し、故郷を負われて遠い他国で捕われの身となっている、そういう絶望的な苦しみ、どこにも救いの光が見えない暗闇の中で、悔い改めて神様に立ち返る、罪を告白して神様の赦しを求める、そういう祈りが、神殿を思い起こすことによって、それが指し示していた神様の恵みを思い出すことによって与えられる、このように神殿は、苦しみと絶望の中にある民に、悔い改めの祈りへの道を開くものなのです

 

ソロモンが建てた神殿は、今見てきたように、神様の民とされたイスラエルの人々が、常に神様に祈り、神様と共に生きるための場です。あるいはまた、すぐに神様から離れ、自分を神として歩んでしまう罪深い人間が、神様のもとに立ち返るために与えられている恵みの場、悔い改めの機会を与えてくれている所なのです

二 ソロモンの裁き

ソロモンに与えられた知恵の実例として語られているのが、16節以下の、

二人の遊女たちへの裁きの話です。

これと同じような話を私たちは、大岡越前守の「大岡裁き」の話として知っています。彼は当事者2人の母親に子供の手を引っ張らせ、勝った方を実の親と認めようと言う。泣く子の両手をそれぞれ引っ張る2人の母親。片方の母親は引っ張る途中で苦しむ子を不憫に思い手を離してしまう。引っ張り勝った方は、これで私が子供の母親だと認めてもらえると・・・。
ところが大岡の裁定は、手を離した方の親を真の母とした。なぜなら真の親なら泣く子の不憫さのあまり手をはなすだろう

16 そのころ、ふたりの遊女が王のところに来て、その前に立った。
17 ひとりの女が言った。「わが君。私とこの女とは同じ家に住んでおります。私はこの女といっしょに家にいるとき子どもを産みました。
18 ところが、私が子どもを産んで三日たつと、この女も子どもを産みました。家には私たちのほか、だれもいっしょにいた者はなく、家にはただ私たちふたりだけでした。
19 ところが、夜の間に、この女の産んだ子が死にました。この女が自分の子の上に伏したからです。
20 この女は夜中に起きて、はしためが眠っている間に、私のそばから私の子を取って、自分のふところに抱いて寝かせ、自分の死んだ子を私のふところに寝かせたのです。
21 朝、私が子どもに乳を飲ませようとして起きてみると、どうでしょう。子どもは死んでいるではありませんか。朝、その子をよく見てみると、まあ、その子は私が産んだ子ではないのです。」
22 すると、もうひとりの女が言った。「いいえ、生きているのが私の子で、死んでいるのはあなたの子です。」先の女は言った。「いいえ、死んだのがあなたの子で、生きているのが私の子です。」こうして、女たちは王の前で言い合った。
23 そこで王は言った。「ひとりは『生きているのが私の子で、死んでいるのはあなたの子だ』と言い、また、もうひとりは『いや、死んだのがあなたの子で、生きているのが私の子だ』と言う。」
24 そして、王は、「剣をここに持って来なさい」と命じた。剣が王の前に持って来られると、
25 王は言った。「生きている子どもを二つに断ち切り、半分をこちらに、半分をそちらに与えなさい。」
26 すると、生きている子の母親は、自分の子を哀れに思って胸が熱くなり、王に申し立てて言った。「わが君。どうか、その生きている子をあの女にあげてください。決してその子を殺さないでください。」しかし、もうひとりの女は、「それを私のものにも、あなたのものにもしないで、断ち切ってください」と言った。
27 そこで王は宣告を下して言った。「生きている子どもを初めの女に与えなさい。決してその子を殺してはならない。彼女がその子の母親なのだ。」
28 イスラエル人はみな、王が下したさばきを聞いて、王を恐れた。神の知恵が彼のうちにあって、さばきをするのを見たからである。

1 証人がいなかった。

ソロモン王のところに二人の遊女・売春婦がやってきました。

ソロモンは売春婦であるという軽蔑と差別をして無視することなく彼女達の人権を尊んで、彼女達の事情を聞いていることの素晴らしさをここで見るのです。

売春婦ですから、彼女達の夫達はいません。未婚の母ですからどちらも第三者の証人はいなかったのです。

本当の母親はどちらか、ということを見分けるという今の時代の方法はDNA鑑定があります。当時はまだそのような方法がありませんでした。

ですから、ソロモンの裁きはどちらがこの子の本当の母親であるかを客観的に判断する根拠にはなりません。

2 ソロモンの裁き

しかし、ソロモンの裁きはDNA鑑定以上に、本当に知恵ある裁きであったことが分かるのです。

それは、ソロモンの裁きはどちらが本当の母親であるかというより、その子供が本当に幸せに育てられる家庭がどちらであるかを示しているからです。

本当の親でも育児放棄をする時代です。遊びの為に家に何日も幼児を置いて出かける親もいるのです。

それは、この裁きによって、本当にこの子の母親となって育てていくのに相応しい人はどちらか、ということが明らかになるということです。

この子供が本当に幸せな育てられ方をしていくのは、何かあったら「この子を裂いて分けてください」と言う人のもとではなくて、「この子を殺さないであの人にあげて」と言う人のもとで育てられることなのです。

ですから、ソロモンの裁きは、実はそのことを明らかにしているのです。

その意味で、これは現代の科学の進歩が生み出したDNA鑑定以上に、本当に知恵ある裁きだったのです。この裁きは、本当の知恵とは何か、また私たちがどのような知恵をこそ神様に祈り求めていくべきなのかを考えさせてくれる話だと言うことができます。本当の知恵とは、人を本当に生かし、支え、神様の祝福の下で生きることを可能にするものなのです。

三 ソロモンの罪

1 王として守るべきこと 申命記17:16−20

16 王は、自分のために決して馬を多くふやしてはならない。馬をふやすためだといって民をエジプトに帰らせてはならない。「二度とこの道を帰ってはならない」と主はあなたがたに言われた。
17 多くの妻を持ってはならない。心をそらせてはならない。自分のために金銀を非常に多くふやしてはならない。
18 彼がその王国の王座に着くようになったなら、レビ人の祭司たちの前のものから、自分のために、このみおしえを書き写して、
19 自分の手もとに置き、一生の間、これを読まなければならない。それは、彼の神、主を恐れ、このみおしえのすべてのことばとこれらのおきてとを守り行うことを学ぶためである。
20 それは、王の心が自分の同胞の上に高ぶることがないため、また命令から、右にも左にもそれることがなく、彼とその子孫とがイスラエルのうちで、長くその王国を治めることができるためである。

(1)王は多くの馬を獲得してはならない。

軍隊の力を高めるためにエジプトに下ってはならない。

(2)王は多くの妻を持ってはならない。

(3)王は莫大な富を持ってはならない。

2 ソロモン王がしたこと

(1)ソロモンは1400の戦車と12000の騎兵を持っていた。列王記上10:25−29

ソロモンはエジプトから戦車と馬を輸入した。

常備軍を維持するために民に重税を課した。

(2)ソロモンには700人の妻と300人の妾がいた。列王記上11:3

(3)ソロモンが毎年受け取る金の重さは666タラントであった。列王記上10:14

1タラントは34.272kgであった。666タラントは22tons825kgであった。

ソロモン王は船団を作り、西はインドまで東はスペインまで手を伸ばして海外貿易事業をして富を得た。

列王記上11:3−13

3 彼には七百人の王妃としての妻と、三百人のそばめがあったその妻たちが彼の心を転じた
4 ソロモンが年をとったとき、その妻たちが彼の心をほかの神々のほうへ向けたので、彼の心は、父ダビデの心とは違って、彼の神、主と全く一つにはなっていなかった
5 ソロモンはシドン人の神アシュタロテと、アモン人のあの忌むべきミルコムに従った。
6 こうしてソロモンは、主の目の前に悪を行い、父ダビデのようには、主に従い通さなかった。
7 当時、ソロモンは、モアブの、忌むべきケモシュと、アモン人の、忌むべきモレクのために、エルサレムの東にある山の上に高き所を築いた。
8 彼は外国人の自分のすべての妻のためにも、同じようなことをしたので、彼女たちは自分たちの神々に香をたき、いけにえをささげた。
9 主はソロモンに怒りを発せられた。それは彼の心がイスラエルの神、主から移り変わったからである。主は二度も彼に現れ
10 このことについて、ほかの神々に従って行ってはならないと命じておられたのに、彼は主の命令を守らなかったからである
11 それゆえ、主はソロモンに仰せられた。「あなたがこのようにふるまい、わたしが命じたわたしの契約とおきてとを守らなかったので、わたしは王国をあなたから必ず引き裂いて、あなたの家来に与える。
12 しかし、あなたの父ダビデに免じて、あなたの存命中は、そうしないが、あなたの子の手からそれを引き裂こう。
13 ただし、王国全部を引き裂くのではなく、わたしのしもべダビデと、わたしが選んだエルサレムのために、一つの部族だけをあなたの子に与えよう。」

ソロモンの主な失敗は、物質的な富と影響力において非常に誇り高く強力になり、神を怒らせることを恐れることを忘れたことでした

四 ソロモンの悔改め 伝道の書

1 知恵を求めた。

知恵が多ければ悩みが多い。知恵を増すものは憂いも増す 伝道の書1:18

2 快楽を求めた。

人の子の楽しみとする側女を多く持った。伝道の書2:8

酒を持って自分の肉体を元気づけようとした。

私の目の好むものは遠慮せず、私の心の喜ぶものは拒まなかった。

皆空であった。

3 富を求めた。

金と銀を求めた。

大きな事業をした。

11 しかし、私が手がけたあらゆる事業と、そのために私が骨折った労苦とを振り返ってみると、なんと、すべてがむなしいことよ。風を追うようなものだ。日の下には何一つ益になるものはない。伝道の書2:11

4 私達の人生にとって最も大切なことは

神を畏れ、神の命令を守ることだった。」(伝道の書12:13)とソロモンは人生の最後に語ったのです。

詩篇の記者ダビデはこのように言っています。詩篇40:8

わが神。私はみこころを行うことを喜びとします。あなたのおしえは私の心のうちにあります。」

私は御心に従うことを喜びとする人生こそが私達に本当の喜びを与える人生なのです。

「ここに、ソロモンにまさるものがある」(マタイ12:42)と主イエスが語られたのです。