テモテへの第二の手紙要約:パウロの執り成し 2020年7月5日礼拝 

2020年7月5日の礼拝説教要約

お証し: 崔 羅瑛(チェ・ナヨン)姉

テモテへの第二の手紙要約:パウロの執り成し 堀内友幸

聖書:3章16節ー17節、4章6節−8節、10節、16節

3:16−17

16 聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練のために有益です。17 それは、神の人が、すべての良い働きのためにふさわしい十分に整えられた者となるためです。

4:6−8

6 私は今や注ぎの供え物となります。私が世を去る時はすでに来ました。
7 私は勇敢に戦い、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました。
8 今からは、義の栄冠が私のために用意されているだけです。かの日には、正しい審判者である主が、それを私に授けてくださるのです。私だけでなく、主の現れを慕っている者には、だれにでも授けてくださるのです。

4:10、16

10 デマスは今の世を愛し、私を捨ててテサロニケに行ってしまい、また、クレスケンスはガラテヤに、テトスはダルマテヤに行ったからです。

16 私の最初の弁明の際には、私を支持する者はだれもなく、みな私を見捨ててしまいました。どうか、彼らがそのためにさばかれることのありませんように。

イントロダクション

1著者:パウロ

2著作年代:紀元67年頃

3執筆事情

ローマ皇帝ネロは紀元54年から68年までローマを統治しました。16才で皇帝になり、初めは家庭教師セネカと近衛長官ブッルスの教えや政治の補佐を受けて治世初期は良き皇帝であったのです。

パウロはローマに2年投獄された後、紀元63年頃にパウロはネロの前で弁明し、 釈放されました。その後、パウロはアジア・マケドニア・スペインにまで宣教しました。

紀元64年ローマに大火災が発生し、100万都市の2/3が灰に帰しました。死者の数は数え切れませんでした。ネロは願っていたローマを都市計画に従って大改造をし、道幅を広くし、防火対策の為に木造建築からコンクリート建築にして4階建に統一しました。市民からはその為にネロに対しての受けが良かったのです。しかし、焼け跡に黄金宮殿を建てた際には火災がネロのしわざとの風評が広まり、暴動が起こりそうになった為、ネロは自分の罪の責任をキリスト者に転嫁したのです。そして、キリスト者をローマ人の伝統や社会秩序、その根底にある多神教であるローマ国家にキリスト者が敵対するとして「人類の憎むべき者」の罪名をきせて、キリスト者に対する激しい迫害を起こしたのです。これは神を恐れないネロが神の前に自分で考え出した最も憎むべき罪だったのです。

紀元67年にパウロはトロアス付近で再び捕らえられました。パウロはその時の事情を知っていたので、まもなく処刑されることを悟っていたのです。ですから、この書はパウロの最後の手紙になってしまいました。

パウロは今までの書簡で教会に入ってきたユダヤ教の間違った教えや、グノーシス主義などの異端についての勧告をしてきました。

しかし、パウロが2度目に捕らえられた時にはローマ帝国の迫害の中でキリスト者の多くが教会を去って行ってしまったのです。ですからパウロは最後の手紙をテモテに書かなければならなかったのです。

一 神の権威に逆らうことの愚かさ 

1 神の御言葉は生きて働き、命を与えることが出来る

3:16−17 16 聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練のために有益です。17 それは、神の人が、すべての良い働きのためにふさわしい十分に整えられた者となるためです。

神の霊感によるとは神の息が吹き込まれたという意味です。天地創造の時に神は人に息を吹き込まれた時に人は生きる者となりました。

聖霊が人を導いて書かれたのが聖書なので、神の息が吹き込まれた時に、聖書のみ言葉を読む時に神は私たちに今も語られるのです。神の言葉は生きて力があり、信ずる者に永遠の命を与えるのです。

2 パウロの弁明はネロに対する悔い改めを求めた。

パウロはネロの審判の前で神の権威に逆らうことの愚かさを語ったことでしょう。

体を殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、体も魂も地獄で滅ぼす力のある方を恐れなさい」(マタイ10:28)。「人はたとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか」マタイ16:26

3 日本の日中戦争・太平洋戦争に対しての警告

東大総長の矢内原忠雄は日中戦争において「誰が戦争をはじめたのか。人が始めたのか。誰がそれを良しとしたのか。神がそれを良しとしたのか」と問うた。

矢内原忠雄は太平洋戦争が始まって2年目に入ろうとしていた1942年の暮れに赤坂の会館で「キリスト教の主張と反省」の題で講演をした。

「真理を探究する学問には何人も決して無視することのできない権威がありますぞ。学問の真理は曲げることはできない。むしろ人は真理の前に謙虚に頭を垂れ真理の語る声に虚心(素直)に耳を傾けなければならない。」

「神の前に悔い改めよ」という要求は、神によって立つ預言者的精神を喪失し、自己保身のためにこの世の勢力と妥協・迎合して安閑たる、キリスト教会そのものにさえ向けられた。

「日本の興廃(立ち上がること倒れること)は、日本がキリストの福音の真理を受け入れるか否かにある。」と言われた時、突然、会場の中程の聴衆の間から、一人の右翼壮漢が拳を振りかざしながら「黙れ!」と立ち上がった。次の瞬間には強烈な制止の声が一斉に壮漢を押し込み、彼はなすすべもなく席に着いた。

騒ぎがすぐ静まる間、黙っていた先生は少し微笑みをたたえながら、「ここは公開の講演会です。ケンカや文句は会が終わってからにしていただきたい」と言っただけで静かに話を続けられた。

「自体がどんなに混乱し、暗黒が世を覆っても、神を信ずる信仰には絶望はない。

私を憎む者は憎みなさい。私を笑う者は笑いなさい。たとえ私は愚かであっても、私の宣べる神の真理は正しいのです。真理を愛する者は救われ、不義を慕う者は神によって裁かれる。これは厳然たる神の言葉です。」といい終わって先生は壇を降りてゆかれた(「預言者的実存・矢内原忠雄(1)」​鈴木 皇 著より抜粋2019)。 そこには厳かな神の予言がなされたのであった。

 

二  圧倒的な勝利者

1 キリストの十字架と復活の勝利

悪魔と死の奴隷からの解放

ヘブル2:14、15

14 そこで、子たちはみな血と肉とを持っているので、主もまた同じように、これらのものをお持ちになりました。これは、その死によって、悪魔という、死の力を持つ者を滅ぼし、15 一生涯死の恐怖につながれて奴隷となっていた人々を解放してくださるためでした。

 

2 神はイエス・キリストによって勝利を与えられた。

永遠の命を受ける勝利

コリント第一155557

55 「死よ。おまえの勝利はどこにあるのか。死よ。おまえのとげはどこにあるのか。」
56 死のとげは罪であり、罪の力は律法です。57 しかし、神に感謝すべきです。神は、私たちの主イエス・キリストによって、私たちに勝利を与えてくださいました。

 

3 信仰によって義の冠が用意されている。

確信の勝利

4:6−8、1:12

6 私は今や注ぎの供え物となります。私が世を去る時はすでに来ました
7 私は勇敢に戦い、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました
8 今からは、義の栄冠が私のために用意されているだけです。かの日には、正しい審判者である主が、それを私に授けてくださるのです。私だけでなく、主の現れを慕っている者には、だれにでも授けてくださるのです。

1:12

私は、自分の信じて来た方をよく知っており、また、その方は私のお任せしたものを、かの日のために守ってくださることができると確信しているからです。

三 執り成しの祈り

1 キリストの執り成しの祈り

ルカ23:34

34 そのとき、イエスはこう言われた。「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。」

 

2 ステパノの執り成しの祈り

ステパノは主イエスの執り成しの祈りを聞いたのです。

使徒行伝7:59−60

59 こうして彼らがステパノに石を投げつけていると、ステパノは主を呼んで、こう言った。「主イエスよ。私の霊をお受けください。」
60 そして、ひざまずいて、大声でこう叫んだ。「主よ。この罪を彼らに負わせないでください。」こう言って、眠りについた。

 

3 パウロの執り成しの祈り

パウロはステパノの執り成しの祈りを聞いたのです。ステパノの執り成しの祈りの故にそれゆえにパウロは生かされて来たことを知っていました。

4:10、16

10 デマスは今の世を愛し、私を捨ててテサロニケに行ってしまい、また、クレスケンスはガラテヤに、テトスはダルマテヤに行ったからです。

16 私の最初の弁明の際には、私を支持する者はだれもなく、みな私を見捨ててしまいました。どうか、彼らがそのためにさばかれることのありませんように。

 

パウロを処刑した近衛兵がパウロのとりなしの祈りを聞いていたのです。

執り成しの祈りが世界を変えたのです。

コンスタンティヌス1世は紀元313年6月ミラノの勅令を出してキリスト教と信教の自由を公認しました。

紀元388年、テオドシウス1世はキリスト教を唯一の公式宗教(国教)に定め、

紀元392年には、ギリシャ・ローマの神々など全ての異教(多神教)の礼拝を禁止したのです。